(11/28)所得税の課税最低限下げ――自民税調方針 連結付加税は継続
自民党税制調査会(相沢英之会長)は28日、所得税のかかる最低年収である課税最低限を引き下げる方向でほぼ一致した。高齢化の進展などによる財政負担増を踏まえ、課税範囲の拡大はやむを得ないとの判断に傾いた。中小事業者の消費税納付を免除する売上高(免税点)も引き下げを主張する意見が大勢。連結納税制度を採用した企業に法人税を2%上乗せする連結付加税は継続の方向となった。
課税最低限は税額を計算する際に所得から差し引ける各種控除を積み上げた水準で、夫婦子2人の給与所得者の場合、現在約384万円。自民税調では主に専業主婦世帯の税負担を軽減する配偶者特別控除(最高38万円)の縮小や、高校生や大学生の子を持つ親の負担に配慮した特定扶養控除(1人あたり63万円)の縮小・廃止論が出ている。
基礎控除(38万円)や給与所得控除を引き下げるべきだとの声もあり、具体策を幅広く協議する。ただ公明党が低中所得者層への影響を懸念しており、与党内調整が難航する可能性もある。